内視鏡の看護師はどんな時、どんなことが大変なの?

内視鏡の看護師が大変な時とは内視鏡の看護師に興味があっても大変なのでは?続けられるかな?となかなか一歩を踏み出せない方もいらっしゃるかと思います。

そんなあなたに具体的にどんな時や、どんなことが大変なのか元内視鏡室看護師の私の経験談をお伝えします。

患者さんとの関わりの中で大変なこと

  1. 検査前後の移乗介助
  2. 患者さんへの説明
  3. 精神科の患者さんの対応

検査前後の移乗介助

内視鏡の検査を受ける患者さんは高齢者の割合が多く、基礎疾患や麻痺、加齢のため独歩が難しい場合も多いです。その場合は検査前後の検査台への移乗介助が必要になります。

また鎮静剤を使用した場合、呼名反応が無いほど鎮静が深い場合はそのままストレッチャーで移動しますが、受け答えができる程度であれば車いすで病棟に戻ったり回復室へ移動します。

最近は鎮静希望の患者さんが増え、ほとんどの検査で鎮静を使用します。そのため鎮静後の移乗介助が頻回にあります。私は小柄な方なので内視鏡の看護師をしていてこの鎮静後の移乗介助が大変でした。

体格のいい患者さんや体重の重い患者さん、麻痺が強い患者さんなどは特に移乗介助が大変です。また鎮静の影響で受け答えはしっかりできても、足に力が入らなかったり足元がふらついたりします。

どんなにボディメカニクスを意識して移乗介助にあたっても物理的限界はあります。足元がふらついている100kg近い体格のいい患者さんを車いすに移乗する際など必死でした。

検査終了後の患者さんを早く移乗し検査台を空け、次の検査の準備をするのが円滑に検査を進める上で重要なのは当然ですが、なかには移乗介助の手伝いはせずに急かすだけの医師もいます。

医師としては件数をこなしたいという気持ちが強いのですが、重労働な上に転倒のリスクも高い移乗介助を急かされると看護師も焦ってしまい大変です。さらに医師の急かす言葉を聞いた患者さんも気を遣って焦って動こうとする場合があり、患者さんを制したり注意が必要になります。

看護師としては患者さんの安全が最優先なので、時間がかかっても無理はせず確実に人手を確保すべきです。内視鏡の看護師の人手が足りない場合は手の空いている医師や臨床工学技士さんにも介助を手伝ってもらったり、病棟の看護師のお迎えを待つなどしていました。

このように内視鏡の看護師は移乗介助が大変で、同僚にも腰痛持ちが多くいました。また妊娠により内視鏡室に異動してくる看護師もおり、この鎮静後の移乗介助は看護師の身体的負担と転倒のリスクが高いことから問題になっていました。

私の勤務していた施設では鎮静使用の検査数の増加に伴い、検査台(ストレッチャー機能付き)を数台追加購入することになりました。

鎮静使用時は覚醒状況を問わずすべて検査台で移動をし、追加購入した空の検査台を検査室に入れ次の検査の準備をするなど業務改善を行いました。これにより移乗介助の件数が減り、看護師の身体的負担も減りました。

施設の方針や設備状況などにも左右されますが、内視鏡の看護師は病棟や外来よりも移乗介助は多く、その面は大変だということは共通していると思います。

患者さんへの説明

看護師の業務の中でも患者さんへの説明は病棟・外来でも同じですが、内視鏡の看護師はより専門性を求められます。注意事項を伝えても、なぜダメなのかきちんと理由も踏まえて説明しないと患者さんの協力・理解を得られないことがあります。

また、内視鏡室での業務は慣れてくるとルーチン化し同じことの繰り返しに感じてしまいます。しかし患者さんはそうではありませんので、看護師の説明不足によるトラブルを起こさないように一人一人の患者さんに対して意識して対応しなければならないので大変に思うかもしれません。

精神科の患者さんの対応

精神疾患を患っていない患者さんでも、内視鏡検査は患者さんに大きな緊張やストレスを与えます。精神科の患者さんはもともとの基礎疾患により、パニックや過呼吸、時には検査中にスコープの自己抜去などを起こす場合があります。

通常の検査であれば看護師がずっと検査についていなくても大丈夫ですが、精神科の患者さんの場合は看護師が最後まで介助に付くべきです。なにか起こった際に内視鏡施行医はスコープを操作しているので対処できません。

特にスコープの自己抜去は非常に危険なので、その可能性も念頭にいれて検査介助につくと良いです。

また、特殊な事例として精神科の患者さんの異物除去の事例があります。私が経験した異物除去の事例は、まち針や爪切りなどをわざと飲みこみ食道内に引っかかってしまった事例です。

まち針も爪切りも鋭利なものなので、鉗子やキャッチャーで把持しても咽頭を通過する際に咽頭を傷つける危険があります。その際にEVL(食道静脈瘤結紮術)で使用するフレキシブルオーバーチューブ(咽頭や食道を保護するための器具)を患者さんに挿入し除去を行います。

異物除去は緊急内視鏡になりますし、このオーバーチューブの挿入は非常に苦痛を伴うので深く鎮静をかけなければなりません。しかしもともと精神安定剤等を内服しているので、鎮静の効きも悪い上に鎮静剤によっては錯乱状態になり検査台の上で暴れることもあります。

通常の検査よりも鎮静剤の量が多くなる傾向にあるのでモニターや呼吸状態の観察も十分に行い、体動が激しい場合は看護師数名で押さえ安全に治療が行われるようにします。このように精神科の患者さんへの対応はよりきめ細やかに、時には体力も必要となり大変かもしれません。

医師との関わりの中で大変なこと

内視鏡室では様々な科の医師が検査・治療に携わります。また大学病院などの大規模施設になると毎年医師の人事異動があり、多くの医師が入れ替わります。

  1. 診療科ごとの取り決めが異なる
  2. 医師の個別性に対応する

診療科ごとの取り決めが異なる

看護師が介助を行う範囲が診療科ごとで異なる場合があります。内科などは研修医や診療科に入ったばかりの若手の医師などが比較的多く、生検介助などもそれらの医師が担当する場合があります。

新人看護師は誰が何科で、その科の看護師の介助はどこまでかなどを覚えないといけません。一度取り決め以外の介助を行うとそれが当たり前になってしまうので注意が必要です。医師のなかには「看護師Aさんはしてくれたのに、看護師Bさんはしてくれない」など不満を言う場合もあります。

そして何よりもインシデントが発生した場合、責任の所在が問題になります。具体例として、外科は生検介助は医師が行うことになっており、内視鏡室内に生検介助する医師がいない場合は電話で呼び出す決まりでした。しかし若手の医師がその決まりを守るのが面倒で、新人看護師に介助を依頼しました。

新人看護師は内科の同姓同名の医師と勘違いし生検介助をしてしまいました。後で通常の生検だけでなく別の試薬を使用して診断しなければならない検査だと分かり再検査のインシデントとなりました。このように多くの医師がいると同姓同名の医師もおり、医師の顔と名前を覚えるのも大変です。

医師の個別性に対応する

内視鏡検査は非常に技術力を要求される医療行為のため、医師も自分のやり方や機材へのこだわりがあります。検査台の位置やモニターの角度などのセッティングから、自分の使い慣れたスコープしか使わないなどそれぞれの医師のこだわりを覚えていかなければならず大変です。

適当に準備していても、検査直前で「モニターの角度はこの位置で、検査台はこのくらいの角度で」など指示されるので初めからきちんと準備しておいた方が患者さんを待たせずに済みます。

内視鏡の看護師は、内視鏡医は一種の「職人」だと割り切って検査しやすいように環境整備・機材整備を快くした方が良いと思います。

業務や勉強面で大変なこと

  1. 説明会・勉強会が多い
  2. 学会が多い

説明会・勉強会が多い

内視鏡の検査・治療は日々進歩しています。医療機器メーカーや製薬会社なども新しい医療機器や新薬を開発しています。特に近年ニーズが高まっているESDの高周波ナイフに関しては安全性に特化したものや、切除機能だけでなく止血機能もあるものなど新しいものが次々に出てきています。

また、大規模施設では製薬会社の治験協力などもありますのでそういった業務も発生し、そのための事前説明会などにも出席しなければなりません。これらの説明会や勉強会は業務時間外に行われることがほとんどなので、お子さんのお迎えがある方などは特に時間調整が大変だと思います。

学会が多い

内視鏡の学会は、日本消化器内視鏡技師学会があります。これがさらにエリアごとに北海道、東北、関東、甲信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州と支部が分かれておりさらに都道府県単位でそれぞれ地方学会があります。

つまり一例として日本消化器内視鏡技師会→関東消化器内視鏡技師会→東京消化器内視鏡技師会とそれぞれあります。日本消化器内視鏡技師会で全国規模の総会は行われていますが、関東消化器内視鏡技師会や東京消化器内視鏡技師会でも独自に学会や勉強会、機器取り扱い講習会などを開催しています。

消化器内視鏡技師の資格を取得した場合は資格が更新制度のため、学会に参加し参加証(ポイント制)を得なければなりません。自分の勉強のために学会に参加し常に新しい知識を得る努力をし続けなければならず、大変だと思う方もいるかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?内視鏡の看護師の大変な側面をお伝えしました。これだけを見ると少し気が滅入ってしまうかもしれませんが、どの専門分野でも大変な面は必ずあります。大変さをやりがいに変えていくことが大切だと思います。

勉強面などは受け身の姿勢だと負担としか思えないかもしれませんが、最先端の医療を学べ実践できるというやりがいを持ち自分のモチベーションを高めるにはとても良い契機になります。

これまで述べてきた経験談は私の一例でしかありません。施設によっては記載してあるような大変な事例はない場合もあり、勤務する施設によって大きく異なると思います。

内視鏡の看護師に関心のある方は、自分のなりたい内視鏡の看護師像や長く勤務できる環境かなどをよく吟味して勤務する施設を選んでください。なかなか具体的に施設選びが難しい場合は、ぜひ看護師転職サイトのコンサルトさんに相談してみてください。

あなたにあった施設選びをサポートしてくれ、安心して内視鏡の看護師としての新しい一歩を踏み出せると思います。

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