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内視鏡の看護師の介助はどんなことをするの?具体的に説明します!

更新:2023/04/11

[内視鏡]

内視鏡の看護師の介助はどんなことをするの?

これまで病棟や外来勤務しか経験の無い方には、検査部門の内視鏡室ではいったいどんな介助を行うのか疑問、不安もあるかと思います。

介助といっても、患者さんへの介助と医師のサポートとしての検査介助とあります。

患者さんの介助は大変?検査室だから医師に特別な介助を求められるの?どのくらいで検査介助に慣れる?など具体例も交えてお伝えしていきます。

また、検査介助の中でもみなさんが不安に思っている「生検介助」のコツも併せてお伝えします。

患者さんへの介助

患者さんへの介助は検査前、検査中、検査後と常に続きます。

施設にもよりますが、健診センターなどでは患者さんの年齢も30~50代と若く自立した方が多いので介助を必要としない場合もあります。

しかし、大学病院などの治療も行っている施設になると患者さんの年齢層は上がり60~80代が大半を占め、中には90代の患者さんもいらっしゃいます。基礎疾患もある場合も多く、さらに絶食による低血糖で注意して介助しないといけないことも多いです。

  1. 検査前の介助
  2. 検査中の介助
  3. 検査後の介助

検査前の介助

  1. 絶食確認
  2. 前処置
  3. 検査着への更衣
  4. 体位を整える

絶食確認

前日21時以降の絶食確認を行います。

前処置

上部内視鏡の場合、胃内を観察しやすくするため消泡剤を内服してもらいます。ドラッグストアなどでよく売られている経口補水液を濃くしたような味です。

その後咽頭麻酔を行います。以前はキシロカインビスカスというゼリー状の麻酔を3ml程度シリンジで咽頭付近に入れ、3分そのまま咽頭に含んでもらい3分後に吐き出す方法が主流でした。しかし、時間がかかることや高齢者などは咽頭麻酔時の誤嚥などの問題があり、キシロカインスプレーのみで麻酔を行う施設も増えています。

ビスカスもスプレーもキシロカイン濃度は同じ2%で変わりません。咽頭麻酔時はキシロカインショックに注意し、患者さんを注意深く観察します。

検査着への更衣

上部内視鏡でもPEG(胃瘻造設術)やESD(胃癌早期剥離術)などの手術時は検査着へ着替えてもらいます。基本的に手術の際は点滴をしていますので、一人で更衣できないので看護師が介助します。

下部内視鏡ではすべての患者さんに検査用の臀部に穴が開いた使い捨ての検査着に着替えてもらいます。しかし絶食による低血糖や、前処置(腸管洗浄剤)による疲労、検査への緊張などから、片足ずつズボンを着脱する際にバランスを崩し転倒する患者さんも多いです。

私が勤務していた施設では更衣用のカーテン内にソファーを置いていたので、そこに座ってゆっくり着替えるよう促し、カーテンの外で転倒時に備えて構えていました。忙しいと患者さんが更衣している間に検査の準備をしたいのですが、少しでも「大丈夫かな?」と思う患者さんは大丈夫ではありません。

転倒してしまっては、最悪検査中止になったりしますので、更衣の介助は意外と注意した方が良いです。

体位を整える

上部内視鏡の患者さんは左側臥位で検査台に横になってもらいます。右足をしっかり前に出し膝をつくことで体位が安定するよう整えます。

下部内視鏡検査の際も基本は左側臥位ですが、ストーマの患者さんなどはストーマからの内視鏡挿入になるので仰臥位になります。ストーマの患者さんは前後のパウチの交換などの介助も行います。

検査中の介助

  1. スコープ挿入時の介助
  2. 唾液の吸引
  3. 緊張緩和
  4. 声かけ
  5. 体位変換

スコープ挿入時の介助

上部内視鏡の場合だけですが、枕に頬をしっかりつけてもらい少し下顎を挙上しスコープが咽頭を通過するまでその状態を保持します。咽頭を通過したあとはゆっくり自然な位置に顎を戻します。

唾液の吸引

唾液は口の端から吐き出すように促しますが、うまくできない方や鎮静中の方などは検査の妨げにならない範囲で口腔内吸引します。しかし、吸引の刺激で体動したりすると危険なので、患者さんの状態を見ながら処置中や医師が重要な観察をしている際などは控え適宜行っていきます。

緊張緩和

緊張により体に力が入ると検査も円滑に進まない上に患者さん自身も辛い思いをされるので、呼吸にあわせ肩や背中をゆっくりさすりリラックスできるように介助します。

声かけ

咽頭を通過したあとは、次第に咽頭も慣れてくるので焦らずゆっくり鼻で呼吸するよう促します。咽頭通過後胃や十二指腸を観察する際に送気しますが、体質や疾患によって胃が伸展しにくい方もいて逆に送気の方が辛い方もいます。検査を早く終えるためにも、?気(げっぷ)はなるべく我慢するよう声かけを行います。

体位変換

下部内視鏡やERCP、小腸鏡などは挿入困難時に体位変換を行います。検査台も狭いことが多く、患者さんの体格によっては体位変換時の転倒のリスクもあります。またERCPや小腸鏡は透視室で検査を行うため透視台の角などで患者さんが挫傷しないように注意して介助を行います。

またスコープが挿入された状態なので、スコープで腸壁(腸壁は薄いため)などを傷つけないように医師とタイミングを確認しあいながらゆっくり体位変換を行います。

検査後の介助

  1. 清潔介助
  2. 更衣介助
  3. セデーション後の介助
  4. 絶食説明

清潔介助

上部内視鏡の場合は唾液等を拭います。下部内視鏡の場合は臀部の清拭を行います。

更衣介助

検査前の更衣の注意と同じですが、検査終了後は特に疲労や安堵感から転倒のリスクが高くなります。また下部内視鏡の場合は1時間近く検査にかかることもあるので起き上がった際の血圧の変動も影響します。患者さんの羞恥心に配慮しながらも、必要時は更衣介助に入らせてもらいます。

セデーション後の介助

セデーションを使用した場合は回復室でゆっくり休んでもらいます。麻酔の量や体質による効き具合、基礎疾患(特にCOPDや睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患がある場合)に注意し観察を行います。

絶食説明

施設により考え方の違いはありますが、基本的には咽頭麻酔時はおよそ1時間、生検時は2時間程度の絶食を説明します。麻酔が切れるまでの口渇に対しては、誤嚥の危険性を十分に説明しゆすぐ程度のうがいで対応してもらいます。

医師への介助(検査介助)

内視鏡室ならではの特別な介助の例として、生検介助が挙げられます。内視鏡の看護師になり初めに壁に当たるのがこの生検の介助ではないでしょうか。最初は誰でもなかなかうまくできませんし、生検鉗子の扱いにも慣れが必要です。

検査介助

  1. 生検介助
  2. 鎮静介助
  3. 手術の介助

生検介助

基本的には生検鉗子で消化管を傷つけないように医師から指示されない限り鉗子は閉じておきます。生検鉗子の扱い方ですが、自分の手と生検鉗子は同じ動きをすると頭に入れておいてください。

ハサミを持つ時のように輪の中に指をかけて保持します。自分の手を開けば鉗子も開きます、掴みたい時はしっかり手をグーにして閉じると鉗子も閉じます。

医師から「開いて」と指示を受ければしっかり開きます。少し手の開きを緩めてしまうと鉗子の開く角度も狭くなってしまい、医師が操作しにくくなります。生検鉗子には針がついていますので、医師が病変に生検鉗子を押し付け針を刺します。

病変の表面はツルツルしていて滑りやすいので、医師が生検鉗子の針を押し付けている間に「閉じて」の合図でゆっくり閉じ病変を捉えます。この時焦って急いで閉じてしまうと、生検鉗子が滑ってしまい病変を逃してしまったり少量しか取れなかったりします。

また癌などの病変の場合は組織が引き攣れを起こし中央に窪んでいることもありますので難易度が上がります。ポリープなどは比較的突起しているので生検しやすいので、初めのうちはポリープの経過観察の患者さんなどの介助につくと良いかもしれません。

個人差はありますが、1ヶ月ほどでどの看護師もうまく生検介助できるようになりますので大丈夫ですよ。もし機会があれば生検鉗子の販売元の医療機器メーカーの営業担当さんに教えてもらうと、構造なども含めて丁寧に教えてもらえますよ。

鎮静介助

鎮静剤の投与は基本的には医師が行うものです。しかし、検査施行医はスコープで手がふさがっていますし、忙しい時や別の部屋で急患や急変が起きると鎮静剤を投与する医師がいなくなる状況は頻繁に生じます。

私が働いていた病院でも、そんなときは看護師が鎮静剤の投与を行うことが暗黙の了解で行われており、介助として非常に曖昧な行為でした。

しかし鎮静剤によるインシデントやアクシデントの際の責任が明確にならないということが問題視され、やむを得ない緊急時(患者さんの体動で安全に検査が行えないなど)医師の目視下でのみ看護師が実施可能となりました。

そして、検査終了後には必ず指示した医師に使用した患者名・日時・薬剤名・投与量などの専用の指示書にサインしてもらうことになりました。

鎮静剤は一歩間違えば、強い呼吸抑制から呼吸停止なども引き起こします。もしあなたが勤務することになる病院で、上記のような取り決めのもと看護師も実施する場合は薬剤について十分に勉強し安全に実施できるようにしなければなりません。

手術の介助

内視鏡室ではPEGの造設・入れ替えやESDなどの手術も行われます。PEGの入れ替えは15分程度で終わりますが、造設になると40~50分程度かかります。物品の準備や手術中は清潔操作により直接介助を行います。

ESDの場合は、近年様々な高周波ナイフが出てきています。フラッシュナイフやITナイフ、セーフナイフなど処置具も多岐に渡ります。基本的には処置具の保持などの助手は医師が務めますし、看護師が助手を行う施設は無いと思います。

それは、処置具の操作ミスで簡単に穿孔などを起こしてしまうほど危険な介助だからです。もし人手不足などで「ちょっと処置具を持ってて」など執刀医に言われてもその危険性と責任の問題などから断る勇気も必要だと思います。

まとめ

いかがでしたか?内視鏡の看護師の介助について患者さんと医師それぞれに分けてご説明しました。もちろん施設により看護師の介助の範囲は考え方が異なると思います。曖昧なまま業務を行っている施設も多いのも現実です。

しかし、万が一医療事故になった際に責任を問われるのはあなたかもしれません。その意味で看護師の介助をきちんとスタッフ間で取り決めてマニュアル化している施設を選ぶと安心して仕事ができると思います。

私も大規模施設で勤務したあと、中小施設へ転職したことがあります。その際にマニュアルがきちんと無く看護師の介助の範囲が不透明で、何かあった際に怖いなと思いながら仕事をした経験があります。長く勤務したいと思えばなおさら施設選びは重要です。

しかし、具体的にはどのようにしたら施設をきちんと選ぶことができるか分からないと思います。そんな時はぜひ看護師転職サイトのコンサルトさんに相談してみてください。施設の詳しい情報などからあなたにあった施設を選ぶサポートをしてくれますよ。

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執筆者情報

ナースの非常口編集部
ナースの非常口編集部
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