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手術室看護師の役割は、コーディネーター的思考と視点が重要!

更新:2023/04/06

[手術室]

手術室看護師の役割は、コーディネーター的思考と視点が重要!

何となく手術室看護師って「怖い」というイメージがあったりしませんか?私や私の友人の間では、学生の頃から手術室看護師は「怖い」というイメージが定着していました。

マスクをしているせいか表情が分からず、無表情に見える上に、やはり場面としては一刻を争うという現場のせいかキビキビと動いて、そこで発せられる声は往々にして大きくて…。

いかつい麻酔器やモニタや、よくわからないデカイ機械が居並ぶゴチャゴチャした中を機敏に動き回りながら、時折医師に対しても自分から一方的とも言える印象で声かけをしている姿は「格好いい」という憧れの存在でもありました。

まさか、自分がそんな現場に出される羽目になるとは全く想像していなかったため、最初の1年は目の前にある現実を受け止めて、ひたすら覚える日々で自分の役割を考える余裕なんてありませんでした。

でも、2年目、3年目…と経験を積むにつれて外側からだけでは見えなかった世界が見えるようになり、手術室看護って実はすごく奥が深くて面白い。と思えるようになりました。

じゃあ、手術室看護師の役割って何だろう?と考えた時、本当に色んな役割が多すぎてワケがわからなくなりそうになりましたが、結論としてはコーディネーターだ。と思いつきました。

執刀医、麻酔医、その他の医師、病棟、検査部門などなど、1つの手術に様々な部門が関わる事は多々あります。そんな多数のスタッフの中で手術に集中したい執刀医に代わってチームをコーディネートする。

手術室看護師としての最終的な目標は、そこではないだろうか?と思いました。各々へ、どんなアプローチをする事で、コーディネーターとしての役割が果たせるのか?

きっともっとたくさんあると思いますが、まとめてみましたのでご覧ください。

手術室看護師の役割は執刀医師に対しては、ズバリ手足のような存在

「器械出し看護師」の場合

手術室看護師と聞いて、まず思い浮かぶのは、この器械出し看護師ではないかと思います。滅菌されたガウンや手袋を身につけて、医師から指示された手術器具を渡す仕事。そんなイメージではないかと思います。

一瞬、器械の名前さえ覚えていればできる単純そうな仕事。だと思われがちです。ところが、ところが、器械出し看護師の役割は、たったそれだけの事ではないのです。

手術中に医師が、いちいち器械の正確な名前を言ってくれるのは最初の内だけです。いわゆる簡単な手術では、慣れてくると器械の名前なんて言ってくれずに黙ったままで手を出してくる。

だから看護師は手術の進行を把握した上で必要な器械を考えて察して正確な器械を渡す。という場面も少なくないと思います。

簡単な手術だと、1日に何件も立て続けに行われる場合も多い為、時間短縮の為にそういう流れになる事が多いようです。端から見ていると「はい」「はい」「はい」という声のみが淡々と続くおかしな風景です。

器械を要求する医師の「はい」とそれに答える看護師の「はい」器械を戻す時の医師の「はい」とそれを確認したという意味の看護師の「はい」のみが延々と続くわけです。

かと思えば、いわゆる大手術の場合は、術前から器械出し看護師の仕事は始まります。膨大な器械の中には滅多に使用しないような器械もあり、そうした器械を一つずつ確認していきます。

コッヘルやペアンなど何十本も器械セットの中に入っている物は予定の数と入っている数に間違いはないかダブルチェック、トリプルチェックして準備していきます。

開腹、開胸など術野が大きな手術の場合には器械の置き忘れという事故が一番怖い為にそうした準備を行う必要があるのです。

そして手術が開始になると、器械だけではなく使用されるガーゼ、針、ディスポ物品などの数も把握しながら器械出しもしなくてはいけないというハードな役割を担います。

さらに手術の進行具合も理解していなくては、本来このタイミングで返却されて手元に戻ってくるハズの器械が戻ってきていない。という確認の声かけができずに後々で大変な事になってしまう場合もあります。

また、術野で使用される器械、物品の清潔不潔の管理という役割もあります。腸管切除などの場合には、腸管内部は不潔です。不潔操作に関わった物は全て清潔操作に戻る時に交換する必要があります。

基本的に医師が不潔操作に入ること清潔操作に戻ることを声かけしてくれますが、使用した器械、物品などの回収と交換を促し管理するのは看護師の役割です。

時折、よく意味がわからずにいる研修医などには、その場で指導しなくてはならない場合さえもあります。とにかく術野で使用される器械や物品の管理責任という役割はすべて器械出し看護師にあります。

つまり執刀医師が、手術にだけ集中する事ができる環境を作るためには器械出し看護師が自分の役割を全うする必要があるのです。

「外回り看護師」の場合

器械出し看護師と比べて実に地味な存在なのが外回り看護師です。しかし、器械出し看護師以上に重要な役割をたくさん担っているという事は手術室経験がない方には余り知られていないのではないでしょうか?

例えば、新人看護師とベテラン看護師が介助に入るとなると、器械出しは新人、外回りがベテランという役回りになるのが基本です。

前に書いた器械出し看護師の役割もかなり膨大だったような気がしますが、外回り看護師の役割と言えば、その何倍、何十倍もたくさんあるからです。

極端に言えば、器械出し看護師は手洗いさえ終わってしまえば、清潔操作が行われる範囲内の管理だけになります。しかし、外回り看護師の役割は、それ以外の全てだからです。

術野に合わせて無影灯を操作したり、医師が手術を行いやすいように立ったり座ったり台に上がったりの介助をしたり、指示された物品や器械や薬品を探して術野に提供したり、出血量や使用後のガーゼの枚数をカウントしたり…。

そんな当たり前の事から、病棟からの問い合わせに医師に代わって対応したり、器械出し看護師が慣れない新人であれば指導や援助をしながら外回り業務も行います。

手術中に清潔分野でできる事は、ものすごく限られています。必要な物は、まず不潔なパッケージの中にあるため、取り出す事さえ自由にできません。

もちろん、清潔操作を行うスタッフの身につけているメガネなども不潔です。少し位置がずれて見えにくくなっていても、自力で戻す事は不可能です。そんな細々とした事の援助も外回り看護師が行う必要があるのです。

何かをしていても、次から次に色々な所から指示する声が飛んできます。何を指示されたかという記憶力と今やるべき事、次に何をすればいいのかという事を瞬時に優先順位をつけて動ける判断力が必要になります。

手術の進行具合を把握し、必要な情報を提供でき、執刀医師の痒いところに手が届くような援助が外回り看護師に求められる役割だと言えるでしょう。

手術室看護師の役割は麻酔科医師に対しては、ちょっとした相棒?のような存在

きっと内科系病棟の看護師さんにはタイトルを見ただけでは「?」で理解していただく事は難しいと思いますが、外科系病棟の看護師さん達であれば何となく理解してもらえるでしょうか?

外科系の医師が、自分の診療科がメインの病棟をホームだと思うように麻酔医にとってのホームは手術室。という事がほとんどだと思います。

他科の医師に比べて、手術室がホームの医師である麻酔医は、普段から接する機会も多く、それぞれの考え方や仕事の癖、傾向などを把握しやすい存在です。

手術前の段階から麻酔医は麻酔の準備、看護師は器械や物品、点滴などの準備をしながら打ち合わせをしたり情報共有をしたりといったコミュニケーションが図れます。

そのため、手術中も執刀医よりは麻酔医の方が手術室看護師にとっての仲間という連帯感も持って仕事に臨むことができる相手です。

外回りをやっていて、本当に忙しい時には本気で手と足がもう一本ずつ生えればいい!と思うくらいです。そんな時は、見かねた麻酔医が出来る仕事を手伝ってくれたりもしていました。

また経験上、麻酔医はアクが強いキャラクターの人が比較的多いような気がします。でも、コミュニケーションが取れるようになると、意外と協力的で仕事がしやすい人がほとんどでした。

アクが強いキャラクターの麻酔医は、当然のように執刀医たちとも折り合いが悪い場合が多いため、そういう麻酔医とでも上手くやっていける執刀医の手術にだけ普段は入るというパターンが多くありました。

しかし、緊急手術などの場合は、そうは言っていられないため、執刀医は麻酔医とのコミュニケーションで既に混乱。麻酔医は普段はやらない仕事のため自分の世界に閉じこもる。という事態もたまにありました。

そんな時(もちろん、そんな時以外もですが)は、執刀医と麻酔医の間に立って、意思疎通を図る事は手術室看護師としての役割だと実感する時でもありました。

手術室看護師の役割は患者に対しては、心の拠り所となれる存在

手術室看護に患者さんが存在しない。と嘆く声は今でも時々耳にします。麻酔がかかって、眠ってしまったら何があっても何をしても患者さんは何も反応する事ができません。

そのため、自分の行った看護に対しての患者さんからのリアクションがない手術室看護には、患者さんがいないも同然でやりがいがない。という意味での嘆きでもあります。

ですが、術前訪問などで自分が担当する患者さんをしっかり知る事が出来ていれば、言葉や表情としてのリアクションが無かったとしても、他の色んな反応で評価する事は可能です。

長時間手術で体位の工夫をした事で褥瘡や神経症状などの出現が予防できた。とか、今まで誰にも義歯を外した姿を見られた事がない患者さんと入室後に外して預かる事にした。術後にとても感謝された。とか…。

大きな工夫や普段の何気ない些細な事だったりで、その人にとって必要だと思える看護が提供できれば手術室看護師として、きちんと看護できた。という満足感も得られます。

そして、そういう看護を行ってくれる手術室看護師は、未知の世界である手術室で不安で一杯な場所であっても心の拠り所という存在としての役割も果たす事が出来ると思います。

手術室看護師の役割は病棟看護師に対しては、貴重な情報提供者同士

何となく、手術室看護師と病棟看護師の間には溝というか壁があるというか、で、大切な情報が中々共有しづらい環境があるのが現実ではないでしょうか?

もちろん、職場によっては、とても風通しが良くて大切な情報をきちんと共有しています。という所もあるかと思います。しかし何となく迷惑をかけたりかけられたりする存在として意識してしまう面があるような気がします。

例えば、手術室看護師の立場から見ると、忙しい最中に医師に確認して欲しい、聞いて欲しい、などの電話がガンガンかかってくる。しかも、その内容は急ぐ内容?患者さんではなく、病棟上の都合じゃないの?

他にも、最終飲水の時間を守れていない。とか、便処置が結局できないままだった。とか、些細な事ではあるけれど、入室後の手術室業務が増えてしまう。

逆に病棟看護師の立場から見ると、術前訪問の時に聞きたい事があると言っていたのに、病棟には一声も掛けてくれずに患者のところにだけ行って顔を見ただけで帰って、必要な事は聞けないまま。

申し送りをするまでに散々待たされたのに、結局送られた内容は、たったそれだけ?緊急で医師に連絡を取りたいのに、手術室看護師の段階でシャットアウトされてしまって、どうにもならなくて困ってしまった…。

両方の立場になった事があっても、どちらかの立場ですごく忙しいと、そこだけに目がいって「嫌な相手」としてしか見る事が出来なくなってしまいがちです。

でも、手術室と病棟というお互いが入りづらい場所にいたとしても、対する患者さんは同じ人であるという事をきちんと認識できる心の余裕を持てる事が重要でしょう。

そして、お互いが、この患者さんに対しての貴重で重要な情報を知る存在である事を認識し、提供し合うべき役割を担っているという事を心に留めておく必要があると思います。

手術室看護師の役割は検査や他部門に対しては、医師に代わって意思疎通を図るべし

放射線技師や病理部門の医師などは、比較的手術室によく出入りする他部門のスタッフでしょう。しかし、普段は出入りはしないけれど、よく関わる部門が結構多くあります。

例えば、輸血部門。予定通りの輸血用血液製剤のやり取りであれば何の問題もないのですが、不測の事態が起きないとも限らないのが手術室です。

きちんとした手順を踏めないまま、緊急で追加の血液製剤を準備してもらう必要があったり、無理を通してもらい結果的に手術室がご迷惑をおかけした形になってしまったり。

予定していた以上の薬剤が必要になったり、普段は手術室で使用しない薬剤が急遽必要になった場合には薬剤部門に無理を言って融通を利かせていただく。

そんな場面が、ごくたまにあったりします。逆に頻繁にあれば、相手の部門の方々も心の準備ができていて、すぐに柔軟な対応をしてくれるのでしょうが、滅多にない事であるために、ややこしい事になる事が多いのです。

どの部門も、仕方なく対応はしてくれます。ですが決して良い気分で協力してくれていない事は明らかなため、私たちはフォローも兼ねて、翌日などにお詫びと今後の対策を相談に伺っていました。

1度あった事は2度目が必ずある。と心に言い聞かせ、手術室内でも情報共有し、次に同じ事態が予測される時(同じ術式、同じ執刀医)などは、あらかじめ関係部門に情報を流す。などの工夫をしていました。

執刀医は手術の事しか考えられない事がほとんどですから、医師に代わって環境を整える事は手術を円滑に終えるためには手術室看護師にとって非常に重要な役割と言えるでしょう。

手術室看護師の役割は同僚看護師に対しては、まさに「あうん」の呼吸で通じ合える存在

執刀医や麻酔医の好みや癖、傾向は把握していてすぐに対応するのと同じように、同僚看護師の好みや癖なども把握しておくと仕事がスムーズな事が多々あります。

好みや癖だけでなく、年齢的な事、執刀医や麻酔医との相性などなど細かい事を意外と色々と把握した上でチームを組んだり、器械出しか外回りか?を決めたりする事もよくありました。

手術の時間は本当に短い時間ではありますが、たくさんの要素が凝縮された密度の濃い時間でもあります。その密度の濃い時間をいかに心地よくスムーズに終える事ができるか?は手術室看護師にとっては重大な事です。

私がいた職場は、かなりの体育会系で普段からの先輩後輩の関係がしっかりしていましたが、いざ仕事という事で手術が始まると、先輩後輩関係を超えた協力体制がありました。

大きな手術で10時間以上かかるような時には、器械出し看護師も途中で交代が必要になります。経験の浅い看護師の場合は早めに先輩看護師が入って二人体制でフォローしたりもしていました。

逆に年配の看護師が長く器械出しをしている時に疲れが見えてきて、集中力が続かなそうだと判断した時は、手洗いをして器械の整理整頓やカウントを行うなどのフォローをしながら交代を促したりしていました。

お互いが助け合うという環境が自然と出来上がっていたので、特別に誰かが誰かを助けるとか協力する。という意識でもなく、できる人ができる事をやる。という姿勢でした。

ですから、このスタッフはこういう傾向があるから、こんな時には、こんなフォローが必要だ。というような事を各々が理解しており、暗黙の了解のようになっていました。

困った時や苦しい時に「あうん」の呼吸で手を差し伸べてくれる存在があることは、過酷な手術室業務の中でも安心につながります。

そのためには、助けを求めるばかりではなく、まず自分にも手を差し出す役割があるという事を理解する必要があると思います。

まとめ

手術室看護師の役割について色々とあげてみましたが、いかがでしたか?手術室看護師が執刀医に対して果たすべき役割というのはざっくりと何となく想像出来る物かもしれません。

でも、同じくらい大きな役割をたくさん抱えながら忙しく働いている手術室看護師の姿を少しリアルに想像していただけたのではないでしょうか?

手術室看護師は、手術が円滑に行われるために準備や後片付けや人間関係のフォローなど水面下で色んな役割を担い果たしています。ですから、決して楽な仕事だとは言えません。

しかし、一つの手術が無事に、かつ円滑に終えられた時の達成感は、手術室看護師しか味わう事が出来ないものだとも言えます。

もしも、手術室看護師として働いてみたい。と興味を持たれた方には、一人で情報収集をして、希望する病院への転職をする。という方法はオススメしません。

手術室という部門は、ある意味閉鎖的な部門でもあります。ですから、一人で細々と得た情報だけでは、転職した後に「こんなはずではなかったのに!」という事態に陥ることも考えられます。

そんな残念で時間の無駄遣いをされないよう、転職サイトに登録して専門のコンサルタントに相談してみることをオススメします。

コンサルタントの方の得意な分野であれば、とってもレアな情報を提供してくれる事だってあります。きっとスムーズにベストな職場を紹介してくれる事、間違いありません。

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執筆者情報

ナースの非常口編集部
ナースの非常口編集部
ナースの非常口は、厚生労働大臣から転職サポート(有料職業紹介事業)の許可を受けた(許可番号13-ユ-314851)株式会社ドリームウェイが運営するメディアです。転職サポートの経験を活かし、定期的なリライトや専門書を用いたファクトチェックなど、ユーザーに正確な最新情報を届けられるよう努めています。

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