産科 看護師の役割は、医療関係者と妊婦・褥婦やその家族との中間(伝達)役!
更新:2023/04/23
[産科]みなさんは、看護師の役割について考えたことありますか?
また、今の自分で看護師の役割をできていると感じますか?
看護師の役割をできているのであれば、看護師としてのやりがいも感じ、今の自分の在り方に疑問は持たないのではないでしょうか。
しかし「私、このままでいいのかな・・・。」と、今の自分の在り方に疑問を持っているあなた。
今、看護師としてのやりがいを感じていますか?
今、看護師の役割をできていますか?
この看護師の役割は、各病院、そして各科によって違いがあります。
あなたに合う看護師の役割は、どこにあるのでしょうか。
さて、今からご紹介するのは『産科の看護師の役割』についてです。
この記事の内容はこれ!
産科 看護師の役割は医師に対しては、パパッと必要な情報を伝えて、ササッと指示をもらって対応!
産科の医師は、外来診察や病棟の妊婦・褥婦の診察などで日中は特に忙しいです。
この中で分娩が入ってきたら、なお大忙しの医師。
では、この医師の状況に対して、看護師はどのように動けば良いのでしょうか。
まず、看護師の医師との関わりについて、簡単にまとめましたのでご覧ください。
看護師と医師とのかかわり
1:妊婦・褥婦の状態把握→
2:医師へ報告→
3:医師から指示受け→
4:対応→(1:へ戻る)
このような医師との関わりとなります。(診察時の補助に関する、看護師の動きは除き記載しました)
・・・まあ、当たり前のように感じるかもしれませんが、大事なのは医師の状況に合わせながらも、常に変化する妊婦・褥婦の状態を必要なタイミングで簡潔明瞭に伝えるということです。
医師は、常に妊婦・褥婦の状態も気にしながら・・・さらに分娩があれば、その進行状況なども特に気にしています。
しかし、通常の診察で忙しい医師。
この状況だからこそ、看護師の存在が必要なのです!
妊婦・褥婦の側に寄り添える看護師が、いち早く変化に気付くことができます。
その気付きの中で、医師へ報告が必要なことのみを簡潔にまとめ、パパッと伝えます。
そして、ササッと指示を受けるのです。
これさえできれば、妊婦・褥婦に対する必要な対応もできますし、医師も通常の動きができるので、医師にとっても良いサポートとなります。
看護師だからこそできる、医師に対する役割ですね!
産科 看護師の役割は妊婦・褥婦に対しては、身体のケアだけじゃない!心に寄り添い、問題の解決につながる手助けもしよう!
産科の看護師は、妊婦・褥婦やその家族の一番側に寄り添える存在です。
この立場だからこそできる役割があるのです。
その役割について、簡単にまとめましたのでご覧ください。
- 看護師と妊婦・褥婦(身体面)
- 看護師と妊婦・褥婦(精神面)
- 看護師と妊婦・褥婦(指導面)
看護師と妊婦・褥婦(身体面)
1:妊婦・褥婦の身体状態把握
2-1:身体的ケア(妊婦:分娩時の陣痛緩和法、褥婦:乳房のケアなど)2-2:予測(経過観察で良いのか、緊急を要する状態で準備するのかなど)
3:対応(医師、助産師へ報告など)
看護師と妊婦・褥婦(精神面)
妊婦・褥婦の心の状態把握→受け止め、心のケア。または必要時、適切な説明(指導)をする。
看護師と妊婦・褥婦(指導面)
退院に向かって妊婦・褥婦へ説明(指導)する。(妊婦・褥婦は、退院後の生活がとても重要。妊婦・褥婦が自分で対応できるよう関わっていく。)
このような看護師の役割があります。
特に大事にしていきたい役割は妊婦・褥婦の心の状態把握→受け止め、心のケア。または必要時、適切な説明(指導)をするということです。
妊婦・褥婦は、精神的に不安定になりやすい時期を過ごしています。
その中で、入退院や分娩などがあれば、ちょっとしたことに対しても敏感になってしまいます。
だからこそ、妊婦・褥婦の一番側に寄り添える看護師が、少しでも安心できる、落ち着いた気持ちで母子の生活を過ごせるよう手助けしていく役割がとても大事ですね。
産科 看護師の役割は妊婦・褥婦の家族に対しては、家族の思いに気付くこと、声をかけること!
産科というのは、なかなか入る機会のない場所です。
特に男性にとっては、奥さんやご家族の出産の時にしか入らない場所となるかもしれません。
産科に来られたとしても、部屋からなかなか出る機会もなく、部屋で話をして過ごすことが多いです。
そのためか、妊婦・褥婦のご家族は思っていることを医療関係者に伝えることが少ないように感じます。
しかし、ご家族も妊婦・褥婦と同じように不安を感じる状況もありますし、出産後でしたら「子ども・孫(新生児)に会いたい」と思うでしょう。
このような家族の思いに気付くことは、一番身近な存在である看護師だからそこできる役割でもあるのです。
では、具体的な妊婦・褥婦の家族に対する、看護師の役割についてまとめたのでご覧ください。
- 妊婦・褥婦の状態、状況について説明する。(現在の状態、今後の方向性など)
- (出産後である場合)児との面会の機会をつくる。
- 家族の精神状態の把握→精神的ケア。必要時、適切な説明をする。もしくは、医師と話す機会をつくる。
実際に私が経験したのは、出生体重が2000g以下で保育器で経過を見る必要のある新生児のご家族との関わりです。
褥婦は新生児室に入り、保育器内でのオムツ換えなど児と関わることはできるのですが、ご家族は新生児室に入ることが多くの産科ではできません。
そのため、新生児室のカーテンを開け、ガラス越しに児の表情などが見えるよう、保育器を可能な範囲で移動させ、ご家族を呼びました。
ご家族は「なんて可愛いお顔をしてるの!やっと会えたね!」と、とても嬉しそうに微笑むご家族の姿を今でも鮮明に覚えています。
このように、ちょっとしたことなのですが、ご家族にとってはとても大きな喜びになることもあるのです。
看護師が家族の思いに気付き、声をかけることが、妊婦・褥婦の家族にとって良いきっかけになっていきますね。
産科 看護師の役割は助産師に対しては、細かい情報伝達を!特に分娩時は定期的に必要!
病院によっても違いがありますが、分娩時は看護師が分娩直前になるまで経過をみることが多いです。
そのため、分娩の際の看護師と助産師の関わりについてまとめてみました。
看護師と助産師の関わり
1:分娩進行状態把握→
2:助産師へ報告→
3:助産師から指示を受ける→
4:対応→(1:へ戻る)
このような関わりとなります。
実際に分娩直前となると、補佐としてスムーズなお産となるよう援助します。
具体的には、分娩の環境を整えたり、痛みに耐える妊婦の側に寄り添うことなどを行って行きます。
医師に対する役割と似ていますが、その都度細かい情報伝達をすることで、妊婦に対する必要な対応もできますし、助産師にとっても良いサポートとなります。
また、褥婦に対する場合でも分娩後の経過を細かく情報伝達することが、褥婦に対する必要な対応につながり、助産師にとっても良いサポートとなります。
ここでも、看護師は医療関係者と妊婦・褥婦やその家族との中間(伝達)役として必要な存在なのです。
産科 看護師の役割は同僚看護師に対しては、常に情報交換すること!
先ほども述べたように、看護師は医療関係者と妊婦・褥婦やその家族との中間(伝達)役として必要な存在なのです。
だからこそ、病院内で一番の情報通であることが大事なのです。
自分の担当者(妊婦・褥婦)だけでなく「看護師全員で妊婦・褥婦を支えていこう!」という気持ちで、常に看護師間で情報交換をしていると、医師や助産師が、どの看護師に妊婦・褥婦の状況などを質問をしてもサッと答えることができます。
また、妊婦・褥婦やその家族の援助にも全ての看護師が対応することができます。
このように、看護師間の情報交換が、医師や助産師にとっても良いサポートとなり、妊婦・褥婦やその家族にも良い対応ができるのです。
・・・実は、これは理想でもあって、実際は多くの妊婦・褥婦をみるので難しい役割内容でもあります。
しかし、ここが産科の看護師の力の見せ所!妊婦・褥婦やその家族を思う気持ちが看護師全員にあれば、十分にできることでもあるのです!
まとめ
各医療関係者やその他関わる方々へ対する産科の看護師の役割については、以上のようになります。
他の科の看護師は、理学療法士や作業療法士、言語療法士とも関わりがありますが、合併症のない妊婦・褥婦のいる産科の看護師は、基本的に関わる医療関係者が少なく、限られています。
そのため、看護師間や医療関係者内で、さらに濃厚な情報交換が可能となるのです。
上記で述べたように、産科の看護師は医療関係者と妊婦・褥婦やその家族との中間(伝達)役という重要な役割があります。
また、産科の看護師は、妊婦・褥婦やその家族の一番側に寄り添える存在だからこそできる役割もありました。
あなたがピンと感じた看護師の役割はありましたか?
もしくは「私もやってみたい」「私に合っているかもしれない」と感じた内容はありましたか?
私も大好きな産科。あなたに合う看護師の役割がここにあると嬉しいですね。
あなたが自分に合う看護師の役割を見つけ、その看護師の役割に対して自分自身が頑張ってできた時、看護師としてのやりがいを感じられると思いますよ。
看護師だって、完璧な人間ではありません。看護師の役割にも合う、合わないがあって良いのです。
無理をすることが、自分の余裕をなくし、その思いが患者さんにも伝わってしまうのではないでしょうか。
・・・看護師として、患者さんを傷つけることはしたくないですよね。
自分に合う看護師の役割を考えてみてはいかがでしょうか。
また、自分が自分らしく、看護師としていられる場所を見つけてみてはいかがでしょうか。
頑張って耐えることもひとつの方法ですが、環境を変えるということも、看護師として成長する良い『きっかけ』になりますよ。
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