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老人ホーム看護師の仕事内容ってどんな感じ?

更新:2023/04/23

[老人ホーム]

老人ホーム看護師の仕事内容ってどんな感じ?

老人ホームで看護師として働こうと思った時に、病院に慣れている看護師さんだと「老人ホームってどんな仕事?どんな流れなんだろう・・・?」と疑問に思いますよね?

流れが分からないと仕事内容も見えてこなくて不安にもなります。病院勤務ではあまり馴染みのない老人ホームの仕事内容を時系列に見ていきましょう。

朝はやっぱり情報収集から始まる

病院で勤務している看護師さんも、病棟に行ったら「あの患者さんはどうなったかな?」「検査の結果は?」と情報収集をすると思いますが、老人ホームでも同様に情報収集から始まります。

毎日検査や処置がある訳ではないので、入居されている方が大きく状態が変わることは滅多にないのですが、前日に往診を受けたり受診に行かれている場合内服や処置の変更がある可能性があるので確認してから業務につきます。

では、日勤を例に実際のタイムスケジュールを見ていきましょう!

8:50 出勤

始業の少し前に出勤し、状態の変化や内服や処置内容の変更が無いかを確認し、処置の準備もします。

9:00 朝礼

各階担当の介護職員から夜間の状態報告、夜勤看護師から簡単な夜間状況の報告があるので、施設全体の様子を把握します。

老人ホームによっては系列施設がある所もあり、他の施設での事故報告の共有や注意もこの朝礼で周知されることが多いです。

施設によってはこの朝礼もないまますぐに申し送りが始まる施設もあるようです。

9:15 申し送り

受け持ちの階で夜勤者からの申し送りを聞き、朝礼では分からなかった詳細な状態把握をします。

状態が悪い方がいれば入居者様の状態を直接確認し往診医へ電話連絡し指示を仰ぎます。

先生の判断で施設での対応は困難となった場合は、すぐに救急搬送や、受診となります。

9:30 バイタルサインの確認

入浴日の入居者様のバイタルサインを測定し体調の確認をします。この時に発熱している方や体調の悪い方がいれば、こちらも往診医へ電話連絡し指示を仰ぎます。

10:00 経管栄養の準備

口腔ケアや吸引、点眼薬等をしながら、経管栄養の準備をします。

口腔ケアをしている際に、歯が動揺しているのを発見する事があります。そういった場合は、老人ホームによっては歯科往診を導入されている所もあり、歯科と連携して対応します。

11:00 経管栄養開始

吸引が再度必要そうであれば実施し、経管栄養を開始します。排便状況や嘔吐しやすい、誤嚥性肺炎を繰り返している等の入居者様の体調に応じて、栄養剤に増粘剤(とろみ粉)を混ぜて注入対応の方もいます。

経管栄養の投与方法については病院とほぼ同様の対応ですね。

11:30 血糖測定・食直前インシュリン皮下注射

入居者様の食事が11:30~11:35に配膳されるので早過ぎず遅過ぎないタイミングで実施します。入居者様の糖尿病コントロールによって、インシュリン製剤や投与するタイミングが全く違うので、皮下注射前には看護師同士や、看護師同士で出来ない場合は介護職員と共にダブルチェックにて単位数に間違いがないかを確認します。

インシュリン製剤は単位数を間違えると命に関わりますので、確認の方法も病院と同様ですね。

11:40 食前薬内服確認・食事介助

ちゃんと食前薬を内服しているか確認をして誤薬事故を防ぎます。

食事介助が必要な方へ介助をします。食事中に開口状況や嚥下状況が悪いとの報告を受けることがあります。その際は立ち合い、嚥下状況を確認し、食形態の変更も検討する事もあります。

12:00-13:00 休憩

食事介助をしながら自分の食事をする事もあるので、休憩した感じがしないことも。また急変などによりちゃんと休憩ができないこともあります。

老人ホームによっては、食事をしながらの食事介助を『休憩時間』として労働基準法に沿ったしっかりとした1時間の休憩を取らせてくれない所もあるようです。面接の際にはどのような休憩体制なのかも確認が必要ですね。

13:00 経管栄養片付け・内服薬準備

開始から2時間程度で終了する経管栄養を片付けます。

その後、翌日の内服薬のダブルチェックをし、誤薬事故を防ぎます。

施設の規模によっては時間も掛かる作業となりますし、昼食後なので眠くなりがちですが誤薬を防ぐためにも集中し気を使う時間です。

14:00-15:00 処置

褥瘡や創傷がある方の処置をします。この処置は往診時や受診の指示通りに実施していきます。入浴された方はお風呂場に呼ばれて入浴直後のきれいな状態で処置をします。

16:00 経管栄養準備

口腔ケアや吸引、点眼薬等をしながら、経管栄養の準備をします。

16:15 申し送り準備・業務日報記入

申し送りの為、入居者様の健康状態を再度確認し日中の状況を業務日報へ記入していきます。

16:30 夜勤者へ申し送り

前夜勤帯からの重要な申し送り事項や体調の悪い人の経過、変更点を細かに送っていきます。

夜勤者の中には月に1度しか来ない夜勤専従の看護師さんもいるので、申し送りはとても重要です。

申し送りが不十分だと、自分が帰宅した後に夜勤看護師さんから電話確認が入ることも・・・。

17:00 経管栄養開始

吸引が再度必要そうであれば実施し、経管栄養を開始します。

17:30 片付け

処置に使用した物品や吸引瓶の洗浄をします。吸引機は病院と違いポータブルの家庭用の機械なので、しっかりと綺麗にしないとカビが生えたりしてきます。

吸引機は大体週に1回ほど消毒します。

17:45 食事介助

入居者様の食事介助をします。日勤看護師は昼食しか出ないので、夕食時は食事介助に集中することができます。

18:00 勤務終了

これが老人ホームの日勤の仕事の1日のスケジュールになりますがいかがでしょうか?病院と比べると処置の数や種類もとても少ないのが分かると思います。

また施設によっては、勤務体制は全く違うものになっていまして、夜勤看護師がいない施設や早番や遅番のある施設、日勤のみの施設もあります。

自分の生活スタイルに合った勤務体制を選んでいきましょう。

老人ホームの看護師は医療行為が少なそう

上記のタイムスケジュールを見ると、あまり難しくない医療行為のみだけですね。

老人ホームは「ホーム」と言うだけあって、生活をする場所なのです。その為、病院と比較すると多くの医療行為もなければ、治療も無いのです。

しかしながら、老人ホームによっては24時間看護師が常駐している所もあります。

24時間看護師が常駐している事を売りにしている老人ホームでは、必然的に医療行為も多くなっていきます。

急な発熱や急変等があれば医師へ報告し、医師の指示のもとで抗生剤点滴や補液を夜間でもする事もあるのです。

24時間看護師が常駐しているという事は、癌の末期の入居者様や終末期の入居者様の受け入れもあります。

癌性疼痛がある入居者様には、勿論麻薬の管理や鎮痛剤点滴もあります。気管切開をしている方を受け入れる為に、人工呼吸器管理を求められる事もあるのです。

病院では看護師の数は多く、急変が起こったとしても周囲の協力が得られます。

老人ホームでは大多数の職員が介護士さんであり、看護師は日中多くても3人位、夜間帯は1人と人数が少ない為、医療行為が多くなったり急変起こるととても忙しく感じるかもしれませんね。

また、救急搬送ともなると、家族へ状況を説明しつつ救急隊への状況説明しつつ、看護サマリーも作成してと更にやる事が多くなります。

老人ホームでは食事介助が必要な方も多く、介護職員だけでは対応できない事が多いです。介護の人員換算に看護師も含まれてしまっているので、忙しい状況でも出来る限り食事介助をしなくてはならない事が多くあります。

老人ホーム看護師の仕事内容は忙しいの?

少ない看護師で、多くの入居者様の状況を把握していかなくてはならないのと、老人ホームの規模や受け入れ態勢によっては医療行為も増えて来る為に病院と違った忙しさがあります。

忙しさはあるのですが、入居者様に主に関わる職員は介護士であって、生活の場である老人ホームなので病院よりも医療行為は少なくなります。

介護士が主となって入居者様と関わってくれているので、看護師と介護士間の連携が重要になってきます。

連携や情報共有がされていなければ、褥瘡の悪化や高血圧で経過しててもそのままだったり、転倒しても報告が来なかったりと手遅れな状況になりかねないのです。

また、介護士とだけの連携が重要な訳ではなく、同じ看護師間においても連携や情報共有が重要となります。

老人ホームで働く看護師の人数は病院よりも少ない為、忙しくなった場合は役割分担が必要となります。

同じ事を何人かでやっていたり、急変があっても知らない看護師がいては忙しさに拍車をかけるだけになります。

点滴や注射をする事が可能な老人ホームでは。同じ看護師さんが毎日毎日出勤している訳ではないので、情報の共有も重要となります。

点滴や薬剤の間違いやインシュリンの単位数の間違い、処置の間違い等によって重大な医療事故に繋がりかねません。

仕事内容としては、介護士が主に関わっていて、入居者様に体調不良や急変がなければ比較的落ち着いて働けますし、医療行為の数も病院よりも少ないです。

が、老人ホームは老人ホームの忙しさがありますので、「楽そうだから、余裕そうだから」と言う気持ちでは働けません。

老人ホームへ転職する際に、仕事内容について尋ねると、大体は上記のタイムスケジュールのような説明を受けると思います。

老人ホーム側は看護師が足りなくて困っているので、どんなに忙しくても実情がどうであれ良いことしか言わない事もあります。

自分で求人情報を見て面接に行っても、本当の仕事内容や忙しさと言うものは分かりにくいものです。

実際に働いてみてから、「こんな医療行為もあるんだ、こんなに忙しかったのか」と気付く事も多いです。

看護師転職支援サイトの転職コンサルタントに相談すると、過去に他の看護師が自分が気になる施設に転職した実績があれば、老人ホームの内情も分かることがあります。

事前に情報があると面接に行く前に、実際に働いてしまう前に「思っていた仕事内容と違う」とならずに済みますね。

老人ホームは自分で探すよりも、自分の条件に合った上に施設内の環境も良い施設に転職をする為にも、看護師転職支援サイトを利用するのが良いかもしれませんね。

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執筆者情報

ナースの非常口編集部
ナースの非常口編集部
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