老人ホームの看護師に転職をする時に知っておきたい仕事のこと
更新:2023/04/11
[老人ホーム, 転職]老人ホームの看護師に転職を考えている方、施設看護師の仕事の内容などを知っていますか?
また病院とは異なる老人ホームでの看護師の仕事を知らないとギャップを感じてしまうことも多くあります。
そのギャップをなくし、転職してよかったと思えるよう、しっかりと老人ホームのことを知っておきましょう。
この記事の内容はこれ!
老人ホームの看護師に転職するなら、施設看護師の特徴を知ることが大切
老人ホームの看護師に転職したいあなた。
まず知っておくべきことは、転職先となる施設がどんな施設なのか、ということです。
老人ホームを含む施設看護師として働く看護師の数は、看護師全体の約10%になります。
しかし高齢者の数が増加していることや長寿化に伴い、介護施設の数も増加しています。
それに伴い施設看護師の求人も多くなっていますが、実際は人手不足です。
老人ホームの看護師へ転職を考えている方にとって、好条件の求人を見つけるチャンスであるとも言えます。
しかし運営している事業者によって給料なども様々です。
そのためしっかりと情報を確認する必要があります。
特別養護老人ホームは重度の方が多く入所されている
老人ホームの中でも重度の方が多いのが特別養護老人ホームで通称「特養」と略して呼ばれています。
この特養で働く看護師は看護師全体の2.5%を占めています。
要介護3以上の方が入所しており、入所者約33人に対して1人の看護師配置です。
また寝たきりの方が多く、経管栄養や褥瘡処置などの医療的ケアを必要とする方も多くなっていますので、施設看護師の中では医療行為が占める割合は多めです。
介護老人保健施設で働く看護師は医療行為が多い
介護老人保健施設は医療的ケアが必要な方が多く入所している施設であり、「老健」と略して呼ばれています。
この介護老人保健施設で働く看護師は全体の約3%です。
入所できるのは要介護1以上の認定を受けている65歳以上の高齢者になります。
介護老人保健施設は医師や看護師が常駐しているのが特徴で、看護師は1人で約11人を担当するような配置になっています。
急性期の治療が終わり、リハビリ目的の方が入所しているのですが、医師による病気などの管理を必要としている方が多いため、老人ホームの中でも看護師が医療行為をする機会が最も多くなる施設です。
そして介護老人保健施設の看護師は夜勤をします。そのため夜勤をしたくない方にはおすすめできません。
有料老人ホームの看護師は「特養」「老健」よりも楽に働くことができる
老人ホームの看護師への転職を考えている時に選択肢に入れてほしいのが有料老人ホームです。
民間の企業などが運営している施設で、24時間介護をしている介護付き有料老人ホームと高齢者のための住まいである住宅型有料老人ホームの2つが主になります。
有料老人ホームの中で看護師の人員基準が決まっているのは介護付き有料老人ホームです。
介護付き有料老人ホームの場合、入居できるのは要支援から要介護の認定を受けている方になります。
看護師1人につき30人の入居者を担当しますが、他の老人ホームと比べても比較的軽度の方が多く入居されていること、医療行為を必要としない方が多く入居しているため、看護師としての負担は大きくありません。
また夜勤をすることもありません。
しかし有料老人ホームの中には夜間看護師のオンコール体制を取っている施設もありますので、転職する前にしっかりと確認をしておきましょう。
医療行為が多い方が入居している有料老人ホームは、夜勤がある
一方、医療依存度が高い方が入居している有料老人ホームがあります。
病院のように24時間看護師を常駐させ、人工呼吸器や24時間点滴などの医療行為をしなくてはいけない方が入居できるようにしています。
こうしたところでは看護師も介護職と一緒に24時間ケアに当たっています。
こうした施設の中には看護師が24時間常駐するための人数を確保するために給料を上げるなどの対応をしているところがあります。
それでも不足している時には夜勤バイトの看護師や派遣看護師を採用しているところもあります。
もし昼職と同時にWワークをしたい方は転職サイトで「有料老人ホームの看護師の夜勤バイト」を検索してみましょう。
また
「週3回働きたい」
「働く時間は9時から16時まで」
という条件があるが、有料老人ホームの看護師で働きたいという方も転職サイトで「有料老人ホームの看護師の派遣」を検索してみましょう。
老人ホームの看護師に転職すると、仕事は病院と大きな違いがあることを知ろう
老人ホームの看護師に転職した人の悩みとして挙げられるのは病院とのギャップです。
仕事内容もそうですが、衛生管理や感染対策など看護師なら厳しく指導されてきたところが緩いため、「これでいいの?」とギャップを感じるそうです。
転職する前に仕事内容などを知り、スムーズに職場での仕事ができるようにしておきましょう。
老人ホームの看護師の仕事内容は医療行為が中心ではない
老人ホームは高齢者の住まいとしての位置付けとなっており、高齢者が必要な介護を受けながら日常生活を送る場です。
そのため病院のような看護技術が必要というわけではありません。
特に有料老人ホームの看護師は医療行為がほとんどありません。
主な仕事として行っているのは入居されている方の健康管理です。
バイタル測定をし、体調の変化があれば嘱託医に報告し受診をさせるなどの対応をしています。
また高齢者が多く入居していますので軟膏や点眼、湿布貼付などの仕事が主になります。
特別養護老人ホームでは褥瘡や経管栄養などの医療行為がありますが、有料老人ホームの看護師はこれらの医療行為もほとんどなく、点滴などの処置もほとんどないため、看護スキルに自信がない場合でも転職した後の不安は少ないでしょう。
老人ホームの看護師の役割は入居者が安心して暮らすためのサポートをすること
医療行為がほとんどない老人ホームの看護師ですが、施設にとっては看護師がいるだけでとてもありがたい存在です。
入居されている方は高齢者であるため、様々な体調変化を起こしやすいのですが、看護師がいるということで何かあっても相談しやすいという安心感を与えることができます。
また老人ホームで働く介護職にとっても看護師の存在はとても安心感を与えています。
例えば皮膚トラブルがある方がいる時に看護師に相談し、適切な体位交換などの指示をもらえることは褥瘡予防の観点からもとても助かりますよね。
入居されている方はもちろん、一緒に働く介護職の安心をサポートする老人ホームの看護師は頼りにされている気持ちを感じやりがいも感じることができます。
老人ホームの看護師に転職するメリットはワークライフバランスとスキル上の安心
老人ホームの看護師に転職すると、どんなメリットがあるのでしょうか?
ワークライフバランスを取ることができる
老人ホームに転職するメリットはワークライフバランスを取ることができるところです。
介護老人保健施設以外の老人ホームの看護師は夜勤がないところがほとんどです。
そして残業もほとんどありません。そのため、子育て中の方などでプライベートと仕事を両立させたい方の転職先に向いています。
スキルに自信がなくても大丈夫
他にもメリットがあります。老人ホームの看護師の仕事では医療行為があまりありません。
そのため看護師としてのスキルに自信がない場合、ブランクがある方でもスムーズに仕事をすることができます。
介護老人保健施設の場合には医療行為が多いため、スキルに自信がない、ブランクがある方にはあまりおすすめできません。
しかし看護師の人数は他の老人ホームより多いため、教えてもらいながらスキルを身に付けるのはできるでしょう。
また入居されている方の体調を確認し、必要があれば嘱託医などにつなげることもありますので判断力を付けることができます。
老人ホームのほとんどは嘱託医と呼ばれる医師がいますので、何かあればその医師に相談することができます。
そのことでもスキルに自信がない、ブランクがある方の転職先に向いていると言えます。
老人ホームの看護師に転職するデメリットは介護の負担と人間関係の難しさ
老人ホームの看護師に転職すると、どんなデメリットがあるのでしょうか?
日常生活の介助をする負担が大きい
デメリットは介護職と一緒に食事介助や入浴介助、排泄介助をすることが多いということです。
特に病院から転職する時にギャップを感じ、負担を感じるのがこの部分です。
老人ホームは高齢者の住宅です。
介護が必要な方も入居しており、日常生活を送っているわけなので必然的に日常生活の介助をする機会は多くなります。
転職前に病院で働いていた方で介助をしたことがないという場合にはギャップを感じます。
また腰をかがめての介助も多くなる施設もあるため、腰痛などの身体的負担も多くなることも考えられますので、老人ホームの看護師への転職を考えているのであれば介護職が移乗などの体を使う介護を担当し、看護師が業務に集中できるようなところを選ぶようにしましょう。
介護職などの他職種との人間関係が難しい
施設看護師の悩みの中に挙げられるのが介護職を始めとする他職種との人間関係です。
特に老人ホームなどの施設では介護職がメインとなりますので、もともと少ない看護師はアウェー感があります。
また看護師が介護職に対してアドバイスをした時に「看護師だからって威張っているよね」と介護職が勘違いしてしまうことも。
そのため看護師は介護職や他職種に気を配りながら業務をする必要があります。
老人ホームの看護師へ転職すると、給料は夜勤がないのに約34万円
老人ホームの看護師に転職をしようと思っている方で気になるのが、やはり給料ですよね。
日本看護協会が行った調査によると高齢者ケア施設で働く看護師の平均給料は基本給で約26万円、総支給額で約34万円となっています。
ちなみに病院で働く看護師の平均給料は、基本給が約25万円で総支給額が約35万円となっています。
病院よりも老人ホームの看護師の仕事内容は難しくないこと、ワークライフバランスを取りやすいことなどのメリットを考えると、給料に満足する方も少なくないのではないでしょうか。
また転職前の経験にもよりますが、病院で夜勤をしている時とあまり変わらないと言えます。
しかし老人ホームを運営している事業者によって給与形態はまちまちですので、この目安を下回るところを避けてより良い条件の施設に転職できるよう情報を得る必要があります。
有料老人ホームの夜勤バイトは1回の勤務で3万円以上
ちなみに有料老人ホームでは看護師の夜勤バイトを募集しているところがあります。
求人情報を見ると夜勤1回あたりの給料は3万円以上のところが多くなっています。
しかし日中に常勤の仕事をしていてのWワークは不可としているなどの条件がある場合がありますので、要確認です。
まとめ
老人ホームの看護師へ転職を考えている方にまとめてみましたがいかがでしたか?
老人ホームにも種類があり、それぞれで看護師の医療行為に違いがありました。
あなたにとって何を重視して老人ホームの看護師へ転職するのかが明確である、または「夜勤をしたくない」「給料重視」などぼんやりとしている場合どちらでもまずは転職サイトに登録をして、あなた担当の転職コンサルタントに相談してみましょう。
どの老人ホームの看護師へ転職するにも条件のあったところの求人を探すには転職コンサルタントの力が必要です。
施設看護師の数が不足しているため求人はたくさん出ているのですが、その情報を見るだけではその施設の実際を知ることができません。
「子育てと両立したい」となれば夜勤をしない老人ホームですよね。
また「腰が悪いから介護の負担がないところ」を希望する時には実際の介護職との業務分担を確認する必要があります。
同じく「介護職と看護師の人間関係が良好のところ」を自分で探すのは難しいですよね。
有料老人ホームへの転職もオンコールのあるなしがあり、ある場合でもオンコールの手当てはどうなのかということを知っておくと転職した後のギャップがないですよね。
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