看護師の給料が高い病院が良い!その願いを叶える職場の特徴は?
更新:2023/05/16
[転職]看護師は給料が高い病院がいいと思っている人がほとんどです。
どうせ働くなら、もちろんそうですよね?
しかしどうやって給料が高い病院を調べればいいのか悩みます。
そして病院の中には求人情報に載っている給料額と実際の額が異なるブラック病院もありますので、注意が必要です。
ここでは看護師の給料ランキングなども合わせてまとめていきます。
この記事の内容はこれ!
看護師の給料が高い病院って?・・・平均給料は約508万円
看護師の給料が高い病院って、具体的に年収いくら以上だと「高い」ということになるのでしょうか?
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」による看護師の平均年収は508万1,300円(月給351,600円)となっています。
そして、日本看護協会の「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」によると、非管理職の常勤看護師の平均年収の割合は、
- 年収400万円~500万円未満 全体の37.7%
- 年収500万円~600万円未満 全体の32.5%
- 年収600万円~700万円未満 全体の12.9%
となっています。
下二つの約45%の看護師は、給料の高い病院で働いているということになりますね。
また日本看護協会の「2019年 病院および有床診療所における看護実態調査報告書」によると、非管理職の看護師の平均給料は325,321円で、20~30万円未満は29.6%、30~40万円未満は47.5%、40万円以上は11.9%となっています。となっています。
主任看護師や看護師長などの中間管理職の場合、平均給料は401,122円です。
管理職になると平均給料は471,515円です。
同じく日本看護協会の「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 結果概要」から管理職と非管理職との年収の違いを見てみましょう。
<役職別看護師の平均年収>
- 非管理職:519万2417円
- 中間管理職:648万3444円
男性看護師の年収は女性看護師と比べて…
女性看護師と男性看護師の給料(年収)は異なります。
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、男性看護師の平均年収は522万7,200円(37.9歳)となっています。
これは勤務先の職員数や経験年数によって年収は変わってきますが
- 20~24歳 365万2,500円
- 25~29歳 436万1,600円
- 30~34歳 462万8,900円
- 35~39歳 466万3,400円
- 40~45歳 512万9,600円
となっています。女性看護師の場合には
- 20~24歳 376万8,400円
- 25~29歳 399万3,600円
- 30~34歳 433万5,600円
- 35~39歳 465万1,100円
- 40~45歳 498万9,200円
となっています。
同年代で男性看護師と女性看護師の平均年収を比べると、男性看護師の方が数十万円程度多い傾向にあります。
これは女性看護師が出産や育児などにより看護師としてのキャリアに変化があることとは違い、勤務を継続し、経験年数が安定して増えていくことが関係しています。
男性看護師については「男性看護師の数が増加中!男ならではの悩みもあるが将来性がある仕事」を参考にしてみてください。
看護師の給料が高い病院ランキングで上位にあるのは都市部と国立大学病院
看護師の給料が高い病院ランキングによる、上位の病院の特徴を調べてみました。
都市部にある病院の給料
看護師の平均年収についての都道府県ランキングを厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査から確認します。
- 1位 埼玉県 541万2,500円
- 2位 東京都 537万4,200円
- 3位 奈良県 528万9,800円
- 4位 兵庫県 520万7,600円
- 5位 神奈川県 508万8,400円
看護師の給料が高いのは首都圏と大阪都市圏であることがわかります。
都市部には大学病院など病院が多くあり、条件を良くして看護師を確保していると考えられます。
なぜ、首都圏や大阪都市圏の看護師の給料は高いのでしょうか?
これは、都市部は物価が高いという事情もありますが、看護師の需要が高いことも関係していると思われます。
厚生労働省の「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 」によると、人口10万対就業看護師数は全国平均で1015.4人ですが、東京都は854.6人、埼玉県は全国で一番少なく736.9人、大阪は959.8人と全国平均を下回っています。
首都圏や大阪都市圏は看護師が不足しているので、看護師確保のために給料が高くなっているのです。
病院別で給料の高いところは大学病院で、特に狙い目は私立大学病院
病院別で看護師の給料が高いところを調べてみました。
その結果、大学病院の看護師の給料が比較的高いことが分かっています。
大学病院では年収が500万円以上になることもあり、高収入が期待できます。
中でも私立大学病院の給料が高めです。
- 1位:私立大学法人(私立大学病院):359,667円
- 2位:会社(企業立病院):357,728円
- 3位:日本赤十字社:350,417円
- 4位:社会保険関係団体:349,033円
- 5位:国立(国立大学病院や国立病院機構、労災病院、JCHOなど):341,930円
これを見ると、私立大学病院の看護師が最も給料が高いことがわかりますね。
ちなみに、初任給も私立大学病院は高いです。
さらに、待遇もばっちりであり、長年勤めている看護師が多くなっています。
看護師の給料が高い病院を東京の人気ランキングから紐解く
看護師の給料が高い病院の参考例として、ここで東京の看護師に人気のある病院ランキングを確認しましょう。
参考になるのが「東京都の病院人気ランキング」です。
これは求人情報で人気がある順のランキングです。
人気があるということは働きやすいですが、給料も高いとは言えません。
参考にしてみてください。
1位:順天堂大学医学部附属順天堂医院
1位の順天堂大学医学部附属順天堂医院は病床数1,051床と大規模な大学病院です。
看護師の数も1000人以上となっています。
初任給は262,100円~267,900円となっており、さらに年2回6.2か月分+α(2022年度実績)の賞与が支給されるため、年収にすると約444万円~約454万円となります。
2位:聖路加国際病院
2位は聖路加国際病院です。
520床で大規模ではありませんが、幅広い診療科に対応しています。
気になる初任給は基本給247,200円、主要手当が43,000円となり合計で290,200円となります。
ここに年2回の賞与が支給されます。
3位:慶應義塾大学病院
3位の慶應義塾大学病院は950床を有する歴史がある病院です。
この病院の初任給は手当込みで4年制大学卒で314,570円、3年制卒で296,630円となっています。
さらに年3回賞与が支給されますが2021年度実績で約6.4か月でした。
年収にすると、483万3,160円~515万0,840円となります。
4位:東京慈恵会医科大学附属病院
4位の東京慈恵会医科大学附属病院も1075床の大病院です。
気になる給料ですが、新卒は3年課程卒で282,300円、大卒で290,800円、経験3年の大卒で309,100円、経験5年の大卒で319,500円です。
他に賞与が年2回支給されます。
5位:がん・感染症センター都立駒込病院
5位のがん・感染症センター都立駒込病院は、815床のがん・感染症に強みを持つ総合病院です。
看護師の初任給は大卒で296,600円、3年課程卒で292,700円となっています。
ボーナスは4.45ヶ月分(2021年度実績)が支給されています。
看護師の給料が高い病院で年収を多くしたい時にはここに注目!
看護師の給料が高い病院に転職して「もっと年収を上げたい!」と思っている人も少なくないですよね。
もしかしたら年収1000万円の看護師になりたいと思っている人もいるかもしれません。
ここでは年収を上げる時に注目したいポイントをまとめていきます。
夜勤手当が高い病院、または夜勤回数の多い病院を探す
まず夜勤回数が多ければ毎月の給料も上がり、結果として年収も上がります。
日本看護協会の「2020年病院看護実態調査報告書」によると、3交代をしている看護師の平均夜勤手当は、深夜勤で平均 5,122 円、準夜勤で平均4,154 円でした。
2交代の看護師の場合の夜勤手当は1回平均 11,286 円となっています。
3交代勤務の場合、準夜勤4回・深夜勤4回のシフトを取っているところが多いのですが、平均夜勤手当で計算すると準夜勤16,616円・深夜勤20,488円となり、夜勤手当として37,104円となります。
2交代の場合は月4~6回夜勤をするところが多いので、45,144円~67,716円となります。
しかし平均額に達していないところも実は多いんです。
日本看護協会の「2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」によると、深夜勤では3000円~4000円未満のところが、準夜勤では2000円~3000円未満のところが、2交代の場合では6000円~8000円未満のところが最も多いということが分かっています。
でも、準夜勤で8,000円以上、深夜勤で10,000円以上、2交替で20,000円以上の夜勤手当がつく病院もあります。
夜勤手当が少ないところに転職してしまうと、どんなに頑張って夜勤に入っても給料はほとんど上がりません。
逆に夜勤手当が高いところで働けば、給料の大幅アップを狙えるのです。
昇給率の高い病院で長く勤務することで給料UPが見込める
日本看護協会の「2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」によると、病院における年齢や勤続年数による昇給を行っている割合は80.5%です。
一方、昇給停止を取り入れているところも54.6%ありました。
昇給停止になる年齢の平均は55.8歳となっています。
看護師の給料では昇給するところが多く、長く勤務するほど給料が上がっていきます。
特に10年以上の勤続年数になると給料が多くなりますので、好待遇のところ、昇給率の高いところを見つけるのも給料が多くなるポイントとなります。
昇給を取り入れている病院が多いのですが、実際の昇給率が微妙なところもあります。
年齢による昇給率は20~24 歳を 100%とした場合、 50~54 歳までの賃金上昇率は 145%になるというデータがあります。
賃金上昇率145%というのは、20~24歳で年収400万円だった場合、50~54歳になると年収580万円になるということです。
昇給額・賃金上昇率が低いところに転職してしまうと、どんなに長く勤めても給料は上がらないので注意が必要です。
そうしたところを避ける方法はまとめにありますので合わせて確認してください。
専門・認定看護師の資格を生かせて給料のベースアップを狙える病院を探す
今、専門分野で活躍する看護師も増えてきています。
専門・認定看護師の資格を持ち、それを生かして業務をしている場合、手当が支給されます。
ただ、手当はそれほど多くないことがあるため、基本給のベースアップを狙っていくのも手です。
例えば周産期医療に力を入れている病院であれば新生児集中ケアの認定看護師資格を生かしながら、小児病院であれば小児看護の認定看護師の資格を生かしながらその資格に対する手当も支給されます。
中には専門看護師や認定看護師の資格を持っていてもその資格を生かすことができない、手当が支給されないという病院もありますので見極めが必要です。
合わせてこれから資格を取得するのであれば、そうした資格の取得支援をする病院を探すことも大事なことです。
ER看護師として働くことで給料UP
例えばER看護師の場合、命に関わる重症な患者さんが多く運ばれてくる看護師の中でも大変な部署です。
※ER看護師とは救急に関する部署で働いている看護師で、災害時に出動するDMATの隊員や、ドクターヘリに添乗するフライトナースを兼務していることがある専門性の高い看護師です。
こうしたER看護師は急変する患者さんが多く、残業も多くなります。
そのため残業代などを含めると他の看護師よりも給料が高くなることも考えられますので、給料UPを狙うならER看護師もおすすめです。
さらに専門看護師である急性・重症患者看護や災害看護、認定看護師である救急看護や集中ケア、小児救急看護などの専門・認定看護師資格を持っている(働きながら取得する)とさらなる給料UPが見込めます。
まとめ
看護師の給料が高い病院についてここまでまとめてきましたが、いかがでしたか?
看護師として働くなら給料の安いところは避け、高給与のところへ転職したいと思うでしょう。
給料を上げるポイントで挙げた、「夜勤回数が多いところ」でもその夜勤の勤務の負担が大きいところよりも負担が少ないところがいいですよね。
同じく「夜勤手当が高いところ」がいいと思っても夜勤手当が高い分、激務だったということがあると長続きしません。
また、「長く続けられるところ」という希望があっても実際に入職してみたら待遇が悪い、昇給率も悪かったということで長続きなんて無理…となってしまうこともあります。
資格に見合った手当をもらいたい、資格に見合ったベースアップをしてもらいたいと思っているあなたの場合ではもしかしたら少ない手当だけ支給されて基本給のベースアップがなく、専門性のある看護をしているのに給料は変わらないとなると困りますよね。
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