NICUの看護師の仕事ってどんなことが大変なの?
更新:2017/11/17
[NICU]NICUの看護師のお仕事というと、なんとなく赤ちゃんのお世話をするのかなという予想はつきますが、具体的にどんなことをしているのか想像がつきますか?
新卒の方も他の病棟からの異動を考えている方もNICUの看護師のお仕事というのはあまり目にすることがなく、NICUで働いてみたいけどどんなことをするかよくわからないという方もいらっしゃると思います。
これからNICUの様子と看護師のお仕事のどんなことが大変なのかお伝えしていきます。
この記事の内容はこれ!
NICUの看護師は病棟の環境に慣れるまでが大変
オープンフロア
一般の病棟は病室やナースステーションが分離されていることに対し、NICUは患者さんのベッドスペースとナースステーションが一つの空間にあるオープンフロアとなっていることが多いです。
患者さんのベッドスペースは基本的にはカーテンなどを閉めずに処置やケアを行っていくので、看護師や一緒に働いているコメディカルなど病棟全体の様子が見えるようになっています。これはあなたが働いている様子も他のコメディカルから見えるということです。
またNICUは面会が多い病棟であるので、面会に来られたご家族からもあなたの様子がよく見えるということです。
なのであなたは最初働き始めると、他の人からの視線や他の人の様子が気になってしまうかもしれません。
これに慣れるまで精神的に大変かもしれませんが、オープンフロアに慣れてくるとNICUで働いている者同士助け合いながら仕事を行っていくことができますし、他の看護師の看護技術を見て学んでいくことができるというのがオープンフロアの大きな利点です。
基本的には患者のベッドサイドにいて観察し続けなければならない
NICUに入院している患者さんは全員赤ちゃんなので、自力でナースコールを押すことができません。
NICUは超急性期病棟であるので些細な変化に対しても看護師が気づきケアを行っていかなければなりません。
よって看護師は基本的に勤務時間中、赤ちゃんのベッドサイドにいて赤ちゃんの様子を観察し続けなければなりません。
このようにNICUの看護師は勤務時間中、常に緊張感と集中力が必要となってくるので気が休まらず大変です。
入院は緊急入院ばかりで受け持ち替えもあって大変!
NICUに入院してくる赤ちゃんの中には妊娠中から疾患が指摘されていて、帝王切開で生まれてくるので入院が前もってわかっている子もいますが、基本的にNICUは緊急入院ばかりです。
なので急な入院により、勤務時間内でも入院の準備やGCUへの転棟の準備、NICU内でのベッド位置の変更などがあり、勤務時間内であっても受け持ち患者が変わることがあります。
受持ち患者が変わると次の担当者に申し送りをしたり、前の担当者から申し送りを受けたりなど、患者さんの情報を頭の中で整理整頓し、ケア時に患者間違えを起こさないようしなければならないのが大変です。
これに対しては普段の仕事中から、頭の中で情報や勤務中に行うケアについて患者さんごとに整理したりタイムスケジュールなどを組んだりしつつも、柔軟にその時の状況に対応していけるようにしましょう。
頭の中だけで考えるのは最初は難しいので、実際に紙にタイムスケジュールや勤務時間内に行わなければならないケアリストを作って行っていくといいと思います。
NICUの看護師は夜勤の多いシフトに慣れるまでが大変
NICUは一般の病棟と違い、日勤帯も夜勤帯も3対1看護を厳守しなければなりませんので、NICUで働いている看護師の数は日勤帯も夜勤帯もほぼ同数です。
これは看護師一人当たりで考えると、一般病棟の夜勤回数が3交代制で1か月に約8回であるのに対し、NICUの看護師は1か月に約10回と多くなっています。
なのでNICUの看護師は生活リズムを整えることが難しいということになり、体調管理をするのも大変です。
しかし慣れてくると、自分がどのように休息と仕事のバランスを取っていくのが自分の体に合っているのかわかるようになってきます。
また、これは余談ですが、夜勤が多いとその分夜勤手当がつくのでお給料が多くなるのは嬉しいですよね。
どうしても生活リズムが乱れることにより体調を整えることが難しいようであれば、日勤専従や夜勤専従の勤務パターンを実施している病院もあるので師長さんや上司に相談することもいいと思います。
NICUの看護師は特殊な看護技術を身につけることが大変
NICUでは学生時代に習った看護技術や、成人病棟で使う看護技術を使うことは少なくなります。なぜならば、NICUでは注射や点滴、導尿などは医師が行い、看護師は医師の介助を行うからです。
介助の方法についてはそれぞれの病院で作っているマニュアルがあると思うので、入職してからそれを身につけていく必要があります。
また清潔ケアや体位交換、更衣など成人の病棟で行うケアについても、赤ちゃんの体の大きさや病気の状態によって違ってきますし、それらを保育器の中の限られた空間の中で行うのは難しい事です。
NICUでは赤ちゃんに行う看護が、学校で習ってきたものや成人の病棟で行うことと大きく違うため、身につくまで大変です。
しかしこのようなNICUでの特殊な看護技術は、最初はどの先輩も初心者であって徐々に身につけていくものですので、不安に思っているあなたも心配ありません。
NICUの看護師はご家族のケアもすることが大変
NICUでは入院している赤ちゃんはもちろんですが、そのご家族のケアも大切なお仕事です。なぜならば、赤ちゃんは退院したらご家族とともにお家に帰っていくからです。
看護師はご家族に対してただ赤ちゃんのお世話の方法を指導するだけではなく、医療処置を在宅で行わなければならないご家族に対しては医療処置の仕方を指導しなければなりません。
またNICUに入院になってしまった赤ちゃんのご家族には、赤ちゃんが入院になったことに対して申し訳なさや自分のせいなのではないかと責任を感じている方もいらっしゃいます。
そのようなご家族に対して看護師は、ご家族の思いを傾聴したり時には励ましたりアドバイスをしたりして、赤ちゃんが入院している間、ご家族も赤ちゃんと向き合えるようにしていかなければなりません。
これはNICUの看護師としてとても大変なお仕事です。ご家族にはそれぞれのバックグラウンドや考え方があり、赤ちゃんの状態もそれぞれ違い、看護師がご家族と向き合っていく方法には正解がないからです。
しかし、だからこそ、看護師として試行錯誤しながらご家族と向き合い、ご家族の力になれた時とてもやりがいを感じることができます。
一人で考えることはとても難しいですが、病棟にはたくさんの先輩看護師がいます。看護師としてたくさんの経験を積んできた先輩看護師と相談しながら、ご家族と向き合っていけばきっとあなたの存在がご家族の力になるはずです。
まとめ
いかがでしたか?NICUでのお仕事は、他の病棟と環境や看護技術が大きく違うため、新卒であっても他病棟からの異動であっても、とても大変に感じると思います。
しかし経験を積んでいけば、あなたもNICUに欠かせない看護師になれるはずです。
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