NICUの看護師の仕事で他科とは違う特徴って?
公開:2017/10/25
[NICU]NICUは新生児や赤ちゃんの専門の急性期病棟です。
これだけの説明でも他の病棟とは違うのかなという感じがしますが、実際にはどのように違うのでしょうか?
病棟の特徴とともに看護師の仕事内容の特徴について具体的に説明していきます。
この記事の内容はこれ!
オープンフロアで広々とした病棟が特徴!
多くのNICUではオープンフロアと言って、病室という区切りがなく広々としたスペースに患者さんである赤ちゃんのベッドであるコットや保育器が並んでいます。
そしてナースステーションはフロアの一角や中央に位置していて、看護師や医師が赤ちゃんの近くにいていつでも看護ケアや処置ができるような病棟になっています。
これは急性期病棟の特徴であり、赤ちゃんの急な変化にも対応できるようになっているためです。成人のICUでもこのような作りになっているところが多いですよね。
また広々とした病棟の中で、看護師はナースステーションで記録やケアの準備をするのではなく、受け持ち患者の近くで記録やケアの準備を行います。
これはナースコールを押すことができない赤ちゃんがケアの対象であるため、常に赤ちゃんの様子が見られる場所で仕事を行わなければならないからで、NICUの看護師の特徴です。
入院する患者さんや疾患が特徴的!
NICUに入院する患者さんは、出生前から疾患が指摘されていたり出生後子宮外環境への適応ができなかった赤ちゃんです。
よって出生後産科から退院した赤ちゃんは入院しません。退院後に何かしらの疾患が見つかった子は小児科への入院になります。これは院外に出たことでNICUに菌を持ち込むことを防ぐためです。
またNICUは新生児のすべての疾患を対象としているため、外科的治療を行う子、内科的治療を行う子、奇形がある子、代謝異常がある子、とさまざまな病態の子がいます。
一般の成人病棟であるとそれぞれの病棟がどこの疾患を対象としていると決まっているので、これほど全身の疾患を診なければならないというのはNICUの特徴だと言えます。
よって看護師もそれだけ勉強しなければなりませんし、それだけの治療方法とケアの方法を学び実施していかなければならないのがNICUの看護師の仕事の特徴です。
基本の看護技術も特徴的!
NICUで行う看護技術は学生時代に学んだ成人用の看護技術だけではありません。
注射や点滴、導尿などの技術はNICUでは看護師ではなく医師が行うので、看護師は医師が行うそれらの処置の介助を行います。
また成人の病棟で働くときには、体位交換時など患者さんの体重で自分の体を痛めないようにボディメカニクスを使いますが、NICUでは、赤ちゃんは看護師が赤ちゃんに触れることによりストレスを感じるため、成長発達を阻害しないようにケアが必要な時だけ触れるようにするミニマルハンドリングでケアを行っていきます。
検温にしてみても、聴診器や血圧計のマンシェットはとても小さいものを使いますし、検温に使う道具は看護師個人のものではなく赤ちゃん一人一人が専用のものを持っています。
これは赤ちゃんは免疫力が低いので、それぞれが持っている菌を拡散させないようにするためです。
観察項目も多く、大泉門の陥没や隆起の有無や、肌や眼球の黄染がないか、便の状態が正常に移行しているかなど新生児期の特徴も観察しなければなりません。
また赤ちゃんは体が小さく、特に循環器系の疾患を持つ子は、INOUTバランスにより状態が変わってくるためINOUTバランスを細かく計算しなければなりません。
点滴が入った量、摂取したミルクの量、排泄物やドレーンから出た量、これらを看護師がチェックし、医師がデータと赤ちゃんの状態を見ながら指示を出していきます。
なので1時間ごとに点滴が指示量入っているか確認したり、おむつ交換もその都度重さを量ってから処分します。
病院によって細かいルールは違ってきますが、このように細かく繊細な看護技術が必要なのもNICUの看護師のお仕事の特徴ですね。
夜勤が多いシフトが特徴的
NICUは急性期病棟ですので、一般の病棟よりも看護師1人当たりの受け持ち患者が少なく、3対1看護を厳守しなければなりません。
一般の病棟であると、日勤帯は7対1看護や10対1看護でありますが、夜勤帯は看護師1人当たり15人程度の患者さんを受け持たなければなりません。
NICUでは3対1看護を夜間でも厳守しなければならないため、夜勤帯も日勤帯とほぼ同数の看護師が働いており、受け持ち患者の人数も変わりません。これは他の病棟にはないNICUの看護師の特徴です。
しかし日勤帯と夜勤帯にほぼ同数の看護師が働いているということは、看護師一人あたりの夜勤回数も他の病棟に比べ多くなっているということです。これもNICUの看護師の勤務シフトの特徴です。
看護の対象は入院患者だけじゃないことが特徴的
看護師というと基本的に患者さんに対して看護を行いますが、NICUでは入院している赤ちゃんのみならず、そのご家族も看護の対象になってきます。
赤ちゃんが入院中に赤ちゃんのケアを行うことはもちろんですが、赤ちゃんがご家族とお家に帰った後もご家族が困らないように赤ちゃんのお世話の方法について指導することも大切なお仕事です。
NICUに赤ちゃんが入院しているということは、ご家族と赤ちゃんが離れ離れに生活しているということです。
なのでご家族が面会に来られた時には、オープンフロアのNICUの中でもカーテンやパーテーションなどでベッドの周りを仕切りご家族の空間や時間を作ることもNICUの特徴です。
NICUにいる疾患を持って生まれてきた赤ちゃんに対して、悲しみや罪悪感を感じているご家族に対してはお話を聞き専門的なアドバイスをするなど精神的な支えになることもNICUの看護師のお仕事です。
このようにNICUの看護師は、入院している赤ちゃんだけでなく赤ちゃんを取り巻くご家族に対しても看護ケアを行っていることが大きな特徴です。
まとめ
いかがでしたか?NICUには他の病棟とは違う特徴がたくさんあり、それに伴ってNICUの看護師のお仕事の内容も特徴的になっています。
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